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新参者 [本]

ちょうどドラマでやってるみたいですが、その原作となった本。

東野圭吾作品は、これまでに何作か読んではいて、上手いなぁ、読ませるなぁ、でも読後すっきりしない……というイメージがあったが、この作品は違った。
もちろん上手いし、読ませる。
その上、読後感がこれまで読んだものの中では、自分の中ですとんと落ちる感じ。

ある殺人事件をめぐって、日本橋署に異動してきたばかりの加賀という警部補がいろいろ立ち回っていく。
その事件を解決することはもちろんだが、加賀はそれだけでは済ませない。
『事件によって心が傷つけられた人がいるのなら、その人だって被害者だ。そういう被害者を救う手だてを探しだすのも、刑事の役目です。』と語っている。
その通り加賀は、事件に直接的または間接的に関わっている人たちの、それぞれに抱えている問題に関わり、解きほぐしていく。
その過程で、本来の事件の真相にも近づいていくのだが、決して事件解明だけにとらわれず、また手柄をたてることに血道をあげない。
一見、飄々としたその感じが、何ともかっこいい。
また、この事件の舞台が日本橋界隈ということで、昔ながらの人情味溢れる人々もいい味をだしている。

作中で、加賀自身にも、ここに至るまでにいろいろなことがあったことをにおわせているが、詳しくは述べられていない。
これからシリーズ化するのだろうか?
楽しみだ。

新参者

新参者

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/09/18
  • メディア: 単行本



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コメント 2

macaron

初めて東野さんの作品に加賀が登場したとき彼はまだ
大学生だったのに今では立派な刑事になってますね。
この作品は下町が舞台になっているのでいつもと違う雰囲気がして
新鮮で楽しめました。

by macaron (2010-08-06 07:25) 

せん

macaronさん、nice! & コメントありがとうございました。
加賀は、以前にも登場してるんですね。
東野さんの作品は、あまり多くは読んでいないので、知りませんでした。
この作品は、確かに今まで読んだものと、少し雰囲気が違った気がしました。
他のものも、また読んでみようかと思います。
by せん (2010-08-08 08:24) 

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