リアル・シンデレラ [本]
"姫野カオルコ"という名前にインパクトがあって、何となく知ってはいるんだけど、読んだことのなかった作家の一人だった。
ところが、最近お気に入りのラジオ番組で、その番組アシスタントに向けて、作者本人から、そのアシスタントの彼女をモデルにした登場人物が出てくる小説を書きました、という手紙が届いた、という話が出てきた。
主人公ではないが、主人公の友人という役回りで書かれているらしい、ということを聞いて、それは読んでみなければ!と思い、やっと読むことができた。
ストーリーは、長野のある料理屋兼宿屋に生まれた長女・泉(せん)という女性の長編ノンフィクションを、女性ライターが周囲の人々にインタビューしながら書いていく、という体裁になっている。
泉は、とても不思議な女性だ。
人によっては、彼女のことを「美しい」と言い、人によっては「仏頂面で愛想がない」と言う。
同じ女性なのに、人に与える印象がバラバラなのだ。
彼女の笑顔は、彼女をよく見ていないと気がつかない。
なぜなら人よりスリーテンポぐらい遅く笑うから。
常に注目を集める存在であれば、周囲の人々もそこまでしっかり見ていて、彼女の笑顔に気がつくのだろうが、泉という女性は、決して目立つようなことはしない。
スリーテンポ遅れて笑うのも、周囲の様子を見て、笑っていいのかどうか判断してからでないと笑わないからではないかと思うくらい、彼女は周囲を気遣い、自分の存在を無意識のうちに消してしまうのだ。
そんな泉だが、芯はしっかりしていて、多少、同じ年代の女性たちと物の考え方は違っても、自分の考えというものをしっかり持っている。
それに気づいている人、そのことを感じとった人々にとって、泉はとても魅力的な女性にうつるのだろう。
1950年生まれの泉。
しかし、泉の考え方はとても現代的と言える。
ということは、その当時であれば、周囲の人々との価値観が違っただろう。
よく生まれるのが早すぎた、とか、時代が追いついてきた、などという言い方があるが、彼女が現代に生きていたら、ずっと生きやすかったのかもしれない。
最後になったが、ラジオのアシスタントがモデルとなっている人物。
泉の女子校時代の友人だが、いまいちピンとこない……
あくまで作者の中のイメージということなんだろう。
ところが、最近お気に入りのラジオ番組で、その番組アシスタントに向けて、作者本人から、そのアシスタントの彼女をモデルにした登場人物が出てくる小説を書きました、という手紙が届いた、という話が出てきた。
主人公ではないが、主人公の友人という役回りで書かれているらしい、ということを聞いて、それは読んでみなければ!と思い、やっと読むことができた。
ストーリーは、長野のある料理屋兼宿屋に生まれた長女・泉(せん)という女性の長編ノンフィクションを、女性ライターが周囲の人々にインタビューしながら書いていく、という体裁になっている。
泉は、とても不思議な女性だ。
人によっては、彼女のことを「美しい」と言い、人によっては「仏頂面で愛想がない」と言う。
同じ女性なのに、人に与える印象がバラバラなのだ。
彼女の笑顔は、彼女をよく見ていないと気がつかない。
なぜなら人よりスリーテンポぐらい遅く笑うから。
常に注目を集める存在であれば、周囲の人々もそこまでしっかり見ていて、彼女の笑顔に気がつくのだろうが、泉という女性は、決して目立つようなことはしない。
スリーテンポ遅れて笑うのも、周囲の様子を見て、笑っていいのかどうか判断してからでないと笑わないからではないかと思うくらい、彼女は周囲を気遣い、自分の存在を無意識のうちに消してしまうのだ。
そんな泉だが、芯はしっかりしていて、多少、同じ年代の女性たちと物の考え方は違っても、自分の考えというものをしっかり持っている。
それに気づいている人、そのことを感じとった人々にとって、泉はとても魅力的な女性にうつるのだろう。
1950年生まれの泉。
しかし、泉の考え方はとても現代的と言える。
ということは、その当時であれば、周囲の人々との価値観が違っただろう。
よく生まれるのが早すぎた、とか、時代が追いついてきた、などという言い方があるが、彼女が現代に生きていたら、ずっと生きやすかったのかもしれない。
最後になったが、ラジオのアシスタントがモデルとなっている人物。
泉の女子校時代の友人だが、いまいちピンとこない……
あくまで作者の中のイメージということなんだろう。
2010-08-04 18:06
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もりんさん、nice! ありがとうございます。
by せん (2010-08-09 09:11)