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主審告白 [本]

久々に本の話題。
とは言っても、小説ではなく、あるサッカーの審判の話をまとめたもの。

サッカーの試合を観る機会はとても多い。
家族の影響で、スタジアムにしばしば足を運んでいるが、私自身はプレーしたこともなく、知識もかなり乏しい。
そんな中で、選手の間を走り回る審判の存在は、それなりに気になるものではある。
しかし、他のスポーツ競技と違って、サッカーのレフェリングは、わからないことがたくさんある。
まず、ファウルを全てファウルとしてジャッジしない。
そして、あの広いピッチをたった3人(第四の審判というのもいるにはいるけど)で見ているので、どうしても死角が生じる。
その上、選手は疲れて足がとまってくれば交代という手があるが、審判は90分間フルにあのピッチを走り回っている。かなりのトレーニングを積んでいても、疲れてきた後半の後半のジャッジまで正確にし続けることは本当に可能なことなのか?

そもそもルールを正しく理解していない私なので、そんな私に言われたくはなかろう、というの百も承知だが、それでも正直、「審判じゃま!」「なぜそのファウルをとらない!」と叫びたくなることがしばしばだ。
この本は、その疑問やフラストレーションのいくつかに答えてくれている。

この本の主役である審判は、サッカーの聖地とも言われるイギリスのウェンブリーで笛を吹いたことがある審判だ。
普段はJリーグの試合で笛を吹くことが多く、私も何度か彼の審判する試合を観ている。
正直、???と思うことがあるのだが、その理由もいくつかはわかった気がする。
彼は、選手と審判とのコミュニケーションを大事にしているようだ。
本書の中でも、そうした信頼関係を築くことで、いい審判ができるという趣旨の発言が見られる。
試合前、また試合中であっても選手と話をすることで、試合をコントロールしているのだとか。
そういう努力はなかなか観客には伝わらない。
さっきのこのファウルはとったのに、これをとらないのはなぜ?と観客が思っていても、審判と選手の中ではそれなりのやりとりが行われていることがあったのだろう。
他のことでも、観客に伝わらないけど、ピッチの中ではいろいろなやりとりを行いながら、ゲームが進められているんだな、と思うところはある。

そもそもサッカーの審判は何のために行われるのか?
選手に伝わればそれでよしとするのか、観ている観客にもわかりやすく伝える必要はないのか?
審判の方々が日々努力されているのは伝わってきたが、そんなことをふと考えてしまう本であった。


主審告白

主審告白

  • 作者: 家本政明
  • 出版社/メーカー: 東邦出版
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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せん

macaron さん、nice!ありがとうございます。
by せん (2010-11-09 22:00) 

せん

みもさん、nice!ありがとうございます。
by せん (2010-11-09 22:00) 

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