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コクーン歌舞伎『夏祭浪花鑑』 [舞台]

気がついたら書き忘れていたので、今更だが感想を。

観る度に思うが、中村勘三郎という人ほどエンターテイメントに徹してる歌舞伎役者はいないと思う。
この人のすごいところは、観客を楽しませながらも、本物の芸を観せられるところだろう。
ただ楽しく、笑わせるだけだったら別に歌舞伎である必要はないし、テレビのお笑い番組でも観てればいいだろう。
しかし、勘三郎の舞台は、しっかり歌舞伎という伝統を踏襲しながら、その歌舞伎の魅力を伝えるとともに、伝統や堅苦しさを超越したワクワク感や感動を呼び起こすような舞台なのだ。

今回のコクーン歌舞伎は、ヨーロッパでの公演の続きということで、上演時間もいつもより短く、ストーリーも簡潔になっているように感じる。
海外の観客を意識してか、前回、同じ演目をシアターコクーンで上演した時より、言葉に頼らない見せ場が強調されているように感じた。
セリフの中にも、英語やドイツ語がちらっと入ってたり、ラストシーンに登場するパトカーが、”警視庁”のパトカーではなく、"POLIZEI"のパトカーだったり、海外公演あらではの演出も多かったように思う。

普段から歌舞伎を観ている人には、かえって物足りない部分もあったかもしれないが、始めて歌舞伎を観る人や、私のようにミーハー的にたまにしか歌舞伎を観ない人には、文句なく楽しめる作品だった。

今回も知り合いの人にチケットをとっていただいた関係で、花道すぐ脇の平場の席(席といってもイスではなく座布団があるだけなのだが)だった。
見せ場の一つである泥をかぶった笹野さん扮する義平次が花道での演技に備え、開演前に荷物を備え置きのビニールで包み、その時には雨合羽をはおって観劇するのだが、それだけ万全の準備をしているにも関わらず、なぜか雨合羽の下にあったはずのスカートに泥が……一緒に観ていた友人の荷物は完全にビニールでくるんであったはずなのに、やはり泥が……一番謎なのは、雨合羽をちゃんと着ていたはずなのに、なぜか背中に泥が……
もちろん観る前からわかっていることなので、全く問題はないのだが、どうしてそこに泥が入ってしまうのか、本当に不思議だ。
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